読み聞かせのポイント

読み聞かせは私にとっても子どもにとっても大切な時間。
調子の悪いときはお休みするなど無理をしないようにしていました。
毎日のルーチンではなく、親子の触れ合いができる貴重な時間になるように、
私なりに心がけていたポイントやコツをご紹介します。

子どもが見やすい位置に絵本をおく

読み聞かせをするときは、子どもが落ち着ける、少し明るい場所ならどこでもいいと思います。でも、もし遊びたいおもちゃが周囲にあって、そちらに気が散ってしまうようであれば片付けておいたほうがいいですね。そして、絵本の位置は子どもが見やすい位置にしてあげてください。私は、就寝前にテレビを消してソファに座って読んだり、ベッドに並んで座って読んだりしていました。絵本は私が持つときもあれば、一緒に持つときもあって自由。また、子どもが物語に集中できるように、読み聞かせのときははっきり、ゆっくり、心を込めて読んであげるように心がけていました。

絵本はなるべく動かさない

絵本の位置はなるべく変えずに、子どもが集中できて物語や絵本の世界観がしっかり届くことを大切にしました。ただ、絵本を動かすほうが躍動感が出て、その絵本の世界観が楽しめる場合は動かすことも効果的だと思います。描かれたすばらしい絵もしっかり見て感じてほしいので、ページはゆっくりめくるようにしました。そのほうが物語の展開についていける余裕がお互いに生まれて、つぎのページへのワクワク感も味わえると思います。

内容は事前に把握しておく

子どもは読み書きかせの途中でも、「なぜ?」「どうして?」「どうなるの?」とすぐに聞いてきますが、必要であれば答えたり、また「ちょっと待ってね」と言ってつぎのページを待ってもらうようにしました。待つことを覚えることも大事ですよね。そんなことが続いたので、新しい絵本の場合は、事前に内容を把握する時間をとるようにしました。「この絵本は読み聞かせにどのくらいの時間がかかるのかな」と、知っているのもいいと思います。とはいえ、すばらしい絵本であればあるほど、自分が先にじっくり味わって読み込んでしまうことがたびたびありました。

すぐに感想を聞かない

読み聞かせが終わったあとの子どもは、自分なりにイメージを膨らませています。そんなときに、「どうだった?」「どう思った?」とすぐに感想を求めるのは避けたほうがいいようです。子どもは自分のペースで理解しているので、その余韻を楽しませてあげましょう。わからない言葉が出てきたときなども、すぐに教えるのではなく、その言葉が示す絵を指すなどして読み聞かせを中断しないように心がけました。同じ本を何度も読んでいると、自然とわかる言葉が増えてきますし、また新しい絵本を通して新しい言葉もどんどん増えていく。そこも読み聞かせのよいところですよね。

抑揚をつけて読む

ストーリーやキャラクターの特徴に合わせて、声にある程度の抑揚をつけるのは大切なことだと思います。でも、それが大げさであるとよくないようです。声色を無理に変えたり、身振り手振りが多すぎると、子どもの創造力や集中力のさまたげになってしまうからです。すでに完成している絵本にアドリブを入れるのも控えたほうがいいようですね。まずは、そこに書かれた言葉のリズムを楽しんでみましょう。そのうちに子どもが喜ぶポイントが見つかったら、少し大げさに読んであげるのもいいと思います。朝の時間なら元気に、就寝前の時間なら声のトーンを少し抑える、などと工夫するのも続けられるコツです。

新しい本でなくても大丈夫

子どもは好きな絵本を何度も読んでもらうことで感情が満たされるそうです。展開を知っている絵本だからこそワクワクできて、繰り返し聞きたくなる気持ちはわかるのですが…。何度もせがまれると親は困ってしまいますよね。でも、2度目以降の読み聞かせのほうが子どもの反応が増えて、自分の驚きや思ったことを発信することが多くなるそうなのでがんばりましょう(笑)。もちろん、新しく絵本を購入することはうれしいですが、図書館で借りたり、お下がりをいただいたりして、角が少し丸くなった絵本も大切にしたいものです。

最後に…

絵本は表紙だけでなく、裏表紙へも物語が続いていることがあります。どのページもその世界観を自由に楽しみ、想像をふくらませることができるのが絵本のよいところ。子どもの成長を身近に感じながら、親もリラックスして幸福感が味わえるすばらしい絵本の読み聞かせは、実はそんなに長く続きません。自分で読むことがすぐに好きになる子もいます。限られた絵本の読み聞かせの時間を、多くのみなさんに楽しんでほしいと願っています。