0歳児の絵本

 
[おててが出たよ]
作:林 明子
小さな子どもが、いっしょうけんめい服を着るお話です。途中でうまく手を出すことができない場面があったり、うまく着ることができて喜んでいる場面があったり。子どもにとって、最初は服を着ることも大変なこと。それが優しい目線で見守るように描かれています。同じ作者の『きゅっ きゅっ きゅっ』と『おつきさまこんばんは』もあわせて読んであげたい絵本です。どれもやさしいタッチで描かれていて、作者の子どもたちへの愛情が伝わってきます。
【林 明子さんの紹介】
1973年のデビュー以来、『はじめてのおつかい』『こんとあき』『おつきさまこんばんは』など多くの人気作品を手掛ける作家さんです。約50年間読み継がれているロングセラーの『はじめてのおつかい』の原稿をもらったとき、「これは自分のことだ」と思ったそうです。絵を描くときは、身近な子どもたちをモデルに丁寧に描き込むことで、イキイキとした姿が絵本に表現されるとのこと。しぐさや表情が子どもらしくて私は大好きです。
[もこもこもこ]
作:谷川 俊太郎 絵:元永 定正
不思議な魅力のある絵本で、その色彩と擬音に子どもは引き込まれるようです。親子で笑い合ってしまうシーンもあるなど、創造力をかき立てられる絵本。元永さんの絵本は『がちゃがちゃどんどん』や『ころころころ』も読み聞かせました。一見、単純に見える絵本ですが、そこに深いメッセージや子どもへの愛情が感じられます。いずれも読み手によって、いろんな表情があらわれる絵本です。
【元永 定正さんの紹介】
三重県出身の現代美術家。特有のフォルムや抑揚のある線やかたち、豊かな色彩は私たちの心を和ませてくれます。以前、元永さんのインタビュー記事を読んだのですが、「家庭にアートを浸透させる力が絵本にはある」と書かれていました。元永さんの絵本がとてもシンプルなのに奥深いのも、アートの力なんだなと納得しました。
[くだもの]
作:平山 和子
子どもが大好きな、いろんなくだものがみずみずしく丁寧に描かれています。丸ごとのスイカからはじまり、リンゴやイチゴ、サクランボなど、おいしそうなくだものが続々登場!「さあ どうぞ」と差し出されます。本当においしそうで、食べたい気持ちになるので、くだもの好きな子どもに育ってくれるのではないでしょうか。安っぽい絵の絵本も多く出回っているなか、絵が本当に美しくてやさしいタッチのこのような古典的な絵本が読み継がれていくのだと思います。
[がたん ごとん]
作:安西 水丸
がたん ごとん がたん ごとん、黒い機関車が走った先で「のせてくださーい」といろいろなものが次々と乗ってきます。コップとスプーン、哺乳ビンなどなど…。ものにも顔が描かれていて、なんだか可愛いです。最後はどこにたどりつくのか、ドキドキしながら読み進められます。シンプルですが、色合いがはっきりしており、可愛くてやさしい絵本です。この本をきっかけに電車好きの子が増えるのではないでしょうか。
[かお かお どんなかお]
作:柳原 良平
わらったかお、ないたかお、おこったかお、などなどいろんな顔が出てくる絵本です。赤ちゃんにとっては、いろんな表情に触れるきっかけになるかもしれませんね。単純なのに、ちゃんと気持ちまで伝わってくる絵がすばらしいです。「いたずらな かお」が面白くてクスッと笑ってしまいます。ページと同じ顔を見せたり、言葉をプラスして読んであげると子どもが反応してくれたので、楽しく読めた一冊です。
[ばいばい]
作:まつい のりこ
うちの子がとても気に入っていた絵本です。いろんな動物が次々と「こんにちは」そして「ばいばい」と手を振ってくれます。いろんな動物にあわせて、声色を変えてあげると喜んでいました。最後は全部の動物が出てきて「ばいばい!」。本のサイズもちょうどよかったようで、よく持って歩いていました。また、歯が生えてくる時期と重なり、いつもこの絵本の端っこを噛んでいたのを思い出します。ボロボロになってしまいましたが、いまも本棚に置かれている一冊です。
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